飲酒は歯にとってあまりいいものではありません。                       酸性の環境が長期間続き、飲酒後の歯磨きはおろそかになりがちです。                   お酒を飲んだからといってすぐに虫歯になるわけではありませんが、注意する必要があります。

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〇虫歯と飲酒の関係

仕事帰りや仕事の休みなどにはお酒を飲んでゆったりと楽しみたいと思う方は多いと思います。   ここで疑問なのは、飲酒をすると虫歯を作りやすいのかどうかということです。          お酒は種類にもよりますが、糖分を含みpHが酸性のものが多いです。               アルコール自体が虫歯に直結するわけではありませんが、糖分と酸が問題になります。       虫歯は歯があって細菌と糖があり、時間があれば誰でもなる可能性があります。          稀に口の中の消毒と称して高いアルコール度数のお酒を飲む方がいます。             しかし、高いアルコール度数のお酒を飲んだからといっても、口の中の細菌に対して効果的に働くわけではありません。                                      むしろ、口蓋や喉など口腔粘膜を痛める可能性があります。                   水やお茶(カフェインレス)を飲んだりうがいをしたりして口の環境を一時的に整えた方が安全で効果的と言えます。

〇飲酒の際の注意事項

飲酒で問題になることは

①食事の際に飲酒する機会が多く、食事の時間が長くなること

②飲酒後の口腔清掃が疎かになりやすいこと

③アルコールによる脱水により口の中が渇きやすいこと

④口を開けて寝る人が多いこと

などが挙げられます。                                    ④は個人差がありますが、①から③はお酒を飲む方に多い問題点です。それぞれを確認しましょう。

●飲酒の際の注意事項①食事の時間

お酒を楽しむ時は食事の時という方も多いかもしれません。                   そのような方は食事の時間が長くなりがちです。                        これがなぜ問題になるか確認します。

まず一般的にお口の中はpHが中性に保たれています。                      飲食をするとpHが酸性に傾きます。                              唾液による緩衝作用により再び中性に戻りますが、食事の時間が長いと、いつまでもお口の中が酸性の環境に維持されてしまいます。                                  お酒には種類によっては多くの糖が使われ、また酸度の比較的強いものもあります。        飲酒を伴う食事では食事の時間が長くなり結果として、虫歯を作りやすい状態になりやすいと言えます。

●飲酒の際の注意事項②歯磨きが嫌になる

飲酒後に気分が良くなったり眠くなったりして、歯磨きをせずに寝てしまった経験は誰もが経験としてあるかもしれません。                                    飲酒後は歯磨きをしたとしても、いつもの歯磨きの質は保たれにくいです。            飲酒をした後にそのまま寝てしまえば、虫歯になりやすいことは想像しやすいでしょう。      お口の中の細菌は私たちが寝ても活動をしています。                      寝た後は唾液の分泌はやや低下するため、細菌は活動しやすいと言えるでしょう。         飲酒後の歯磨きは歯を守るためにも絶対に行いたいものです。

●飲酒の際の注意事項③脱水による口の渇き

アルコールには利尿作用があります。                             したがって、体内の水分が外に出て入ってしまいます。                     代表的なアルコール飲料のビールは利尿作用が強いです。                    飲酒後に喉が渇く経験をした方も多いと思います。                       体の水分は飲酒による利尿作用により尿として体外に出ていきます。               したがって、体内の水分量が減ると唾液の分泌が下がってしまいます。              唾液には口の環境を整える重要な役割があります。                       飲酒後には唾液の作用が弱くなることから、口の環境が保たれず虫歯になりやすい環境になってしまいます。

●飲酒の際の注意事項④口呼吸

前述の通り口呼吸は個人差がありますが、口呼吸を行う方にとっては飲酒はさらに口の環境を悪くする可能性があります。                                     口呼吸はそれ自体が口の中の乾燥を招いてしまいます。                     飲酒により脱水が起きると口の乾燥は悪化します。                       口腔環境の悪化は虫歯を作りやすい環境となります。                      飲酒後に歯磨きをせず、口呼吸をした状態で眠ると翌朝の口のネバつきや口臭を自覚することもあると思います。                                         このような状態は虫歯を作ることに適した口腔環境であったことを意味します。改善するように心がけましょう。

これらの問題点の他に、飲み過ぎによる嘔吐などは胃酸により歯に直接的にダメージを与えてしまいます。                                            胃酸は強酸であり、歯のエナメル質を溶かす可能性が高いです。                 嘔吐をした後には水でうがいをするなどして対応しましょう。

〇飲酒をした後のお口のケア

飲酒をした後は前述の通り、歯磨きが十分にできない可能性があります。             可能な限り歯磨きを行い、洗口剤によるうがいなどによって口の中の汚れを取り除きましょう。   特に甘いお酒を飲んだ後には注意が必要です。                         口の中の環境を中性に戻し、脱水にならないように水の摂取とうがいはしっかりと行いましょう。

〇まとめ

虫歯と飲酒の関係を確認してきました。                            アルコール自体が虫歯の直接的な原因にはなりませんが、お酒には多くの糖が使われ酸が強いことがあります。                                          糖や酸は歯にとっては有害で虫歯を惹起します。                        飲酒後は歯磨きが面倒になり、ついそのまま寝てしまうこともあるかもしれません。        しかし、口の中の細菌は待ってはくれません。                         寝ている間にも酸を作り、歯を溶かしているかもしれません。                  飲酒をやめることは現実的ではないかもしれません。                      しかし、可能な限り歯磨きそしてうがいを行い、虫歯の予防を心がけてください。