「マウスピース矯正で口ゴボを治したい!」と考えている方も多いでしょう。しかし、実際には「マウスピース矯正では口ゴボが治らなかった」という声も少なくありません。

では、なぜマウスピース矯正で口ゴボが治らないケースがあるのでしょうか?本記事では、口ゴボの原因、マウスピース矯正の限界、治療が成功しない理由、そして他の治療法について詳しく解説します。


1. 口ゴボとは?

口ゴボとは、横から見たときに口元が前に突き出している状態を指します。正式には「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」とも呼ばれます。

口ゴボの特徴

  • 口が閉じにくい
  • 横顔がEライン(美しい横顔の基準)から外れている
  • 口元に影ができやすい
  • 口呼吸になりやすい

口ゴボの原因

  1. 歯の位置
    上下の前歯が前に傾いていることで、口元が出てしまう。
  2. 骨格の問題
    顎の骨が前に出ている、もしくは小さいために相対的に口元が突出して見える。
  3. 口周りの筋肉の影響
    口の周りの筋肉が弱く、口が自然と開いてしまう。

2. マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正(インビザラインなど)は、透明なマウスピースを使って少しずつ歯を動かす矯正方法です。見た目が目立ちにくく、取り外しができるため人気があります。

マウスピース矯正のメリット

  • 目立ちにくい
  • 金属アレルギーの心配がない
  • 食事や歯磨きの際に取り外し可能

マウスピース矯正のデメリット

  • 適応できる症例が限られる
  • 毎日20時間以上装着しないと効果が出にくい
  • 抜歯が必要なケースでは効果が出にくい

3. 口ゴボはマウスピース矯正で治る?

結論から言うと、 「歯の位置が原因の口ゴボ」なら治る可能性があるが、「骨格が原因の口ゴボ」は治らない ことが多いです。

マウスピース矯正で治るケース

  • 前歯の傾きが原因の口ゴボ
    → 歯の角度を変えることで、口元を引っ込めることが可能。

マウスピース矯正で治らないケース

  • 骨格が原因の口ゴボ
    → 骨格の影響で口元が出ている場合、歯の位置だけを調整しても根本的な改善にはならない。
  • 抜歯が必要なケース
    → 歯の並ぶスペースが不足していると、抜歯をしない限り口元を大きく引っ込めるのは難しい。

4. マウスピース矯正で口ゴボが治らない理由

① 抜歯をしないとスペースが足りない

口ゴボの多くは、歯が前方に押し出されていることが原因です。マウスピース矯正は基本的に「歯を抜かずに並べる」方法なので、口元を引っ込めるには限界があります。

② 歯を大きく動かせる力が弱い

ワイヤー矯正に比べ、マウスピース矯正は歯を大きく動かすのが苦手です。特に、前歯を大きく後ろに動かすことは難しく、治療効果が限定されます。

③ 骨格にはアプローチできない

骨格が原因の口ゴボは、歯の位置を変えても根本的な解決にはなりません。外科手術を伴う矯正(外科矯正)が必要になるケースもあります。


5. 口ゴボを確実に治すための選択肢

① ワイヤー矯正(抜歯矯正)

ワイヤー矯正は、必要に応じて抜歯を行い、歯を後ろに移動させることで口元を引っ込めます。大きく改善できる可能性が高いです。

② 外科矯正(骨格性の口ゴボ向け)

骨格が原因の場合、顎の骨を手術で調整する「外科矯正」が必要になることがあります。

③ ハーフリンガル矯正(目立ちにくいワイヤー矯正)

上の歯は裏側にワイヤーをつけ、下の歯は表側にワイヤーをつける方法。目立ちにくく、ワイヤー矯正の効果を得られます。

④ 抜歯+マウスピース矯正

一部のケースでは、抜歯をしたうえでマウスピース矯正を行うことで、口ゴボの改善が可能な場合もあります。ただし、適応できるかは歯科医師の判断によります。


6. 口ゴボ治療で失敗しないために

① 矯正歯科選びが重要

口ゴボの治療には専門的な知識が必要です。矯正専門の歯科医院を選び、相談することが大切です。

② 事前にしっかりカウンセリングを受ける

自分の口ゴボが「歯の位置の問題」なのか「骨格の問題」なのかを正しく診断してもらいましょう。

③ マウスピース矯正だけにこだわらない

マウスピース矯正は便利ですが、すべての症例に適応できるわけではありません。場合によってはワイヤー矯正や外科矯正も視野に入れましょう。


7. まとめ

マウスピース矯正は歯の傾きが原因の口ゴボには有効だが、骨格が原因の口ゴボには効果が薄い。
抜歯をしないと十分に口元を引っ込められないケースがある。
ワイヤー矯正や外科矯正の方が適している場合もあるので、矯正歯科でしっかり診断を受けることが重要。

「マウスピース矯正で口ゴボが治らなかった…」と後悔しないためにも、しっかりとカウンセリングを受け、自分に合った治療方法を選びましょう!