歯の形態異常の矮小歯

矮小歯(わいしょうし)というのは歯の形態異常の一つで、歯が普通の形態よりも形が小さく蕾の様な形だったり、円柱の様な形だったりします。乳歯と同程度の形の場合もあります。形が小さいがゆえに歯並びに影響を及ぼすことがあり、時として歯の間に隙間が出来るので中には気になっている方もいるかもしれません。今回は矮小歯の治療方法を含めて確認してみたいと思います。

【目次】

・矮小歯の原因と好発部位

・矮小歯の問題点とは

・治療方法はどのようなものがある?

・まとめ

〇矮小歯の原因と好発部位

ワンポイント
矮小歯の原因は分かっていない。好発部位は上顎の側切歯(そくせっし)と親知らずである。

矮小歯の原因は実は明確に分かっていません。

遺伝や顎が元々小さい場合、ホルモンの関係、生物としての退化傾向など様々なことが言われていますが、はっきりと分かっていません。

矮小歯が出やすい部位としては、上顎の前から数えて2番目の歯(側切歯)です。また親知らずも矮小歯になることもあります。

親知らずであれば見た目に影響がないのでそのままでも良いかもしれません。

しかし、側切歯は前から見える部位になるので気になってしまう方もいると思います。その他にも、歯の形態異常はいくつかあり、過剰歯、癒合歯、癒着歯などがあります。今回の矮小歯と同様にそれぞれに歯列不正の可能性があります。

〇矮小歯の問題点とは

ワンポイント                                        

矮小歯は形態が一般の形よりも小さいため、歯並びが不自然となったり、歯と歯の間に隙間ができたりしてしまう。機能的にはあまり問題がない場合も。

矮小歯は形態が通常と異なり小さく、形も蕾状だったり、円柱だったりします。

そのため、他の歯との大きさのバランスが悪くなり、見た目が悪くなります。

形が小さい為、中には歯と歯の間に隙間があり気になる方もいるかもしれません。

これらから分かるように見た目の問題が大きいです。

その他にも、きれいな歯並びであれば矮小歯の部位にも咬み合わせの負担がきているはずですが、歯が小さく咬み合わせに関与していない可能性もあります。その点でも問題が出てくることがあります。

その部位の咬み合わせの負担を他の部位で補っている状況が考えられるからです。つまり、歯並び(歯列)の不調和と咬み合わせの問題が矮小歯にはある可能性があります。

 

〇治療法にはどのようなものがある?

ワンポイント

治療法は大別して2種類ある。どのようにして治療するかは患者さんの希望と症状によって選択する

重要な治療方法についてですが、大きく分けて2つあります。1つ目は、矯正治療です。2つ目は補綴治療です。それぞれメリットとデメリットがあるので確認していきましょう。

●①矯正治療

歯並びを良くするということですぐに思いつくのは矯正治療です。

矯正治療であれば確かに歯並びを変えることが可能です。

しかし、歯の形そのものを変えることは出来ません。

したがって、矮小歯の形は気にならないが、歯と歯の間の隙間が気になる方には適応になるでしょう。

しかし、補綴治療と異なり歯の並びを変えるには治療期間・回数・費用などが多くなることもあります。

場合によっては、矮小歯の部位だけでなく全体的に歯列の改善が必要になることもあります。

どの程度の治療になるかは状況によって異なるので、歯医者と相談してみてください。

●②補綴治療

補綴治療は補う治療です。

歯の大きさそのものが気になるのであれば冠を被せたり、表面だけ付け爪のように形を変えることも場合によっては可能かもしれません。

その部位だけを変えるので矯正治療よりも治療期間や回数は少なく抑えることが出来るでしょう。

費用に関しては選ぶ補綴物によって変わるかもしれませんが、一般的には矯正治療よりも価格が抑えられます。

しかし、詰めたり、被せたりするには歯を削る必要があります。元々の歯が小さいのであまりたくさん削ってしまうと、神経に近くなり歯の痛みやしみるのを誘発する恐れがあります。

また、矮小歯部位に補綴治療を行った後に強い負荷が掛かってしまうと、詰め物や被せ物が取れたり、割れたりするリスクがあります。

咬み合わせのことも検討することになる場合にはその部位だけでなく、歯列全体を含めて矯正治療が必要になることもあります。

治療として大別すると上記になりますが、矯正治療と補綴治療を併用する場合もあります。どの治療法が自分に合っているかは精査をして、歯医者とよく相談して決めるようにしましょう。

〇まとめ

矮小歯は生まれ持ったものなので仕方がない事ではあります。

しかし、見た目などに影響することもあり、コンプレックスを抱えてしまう時があります。あまり気になるようであれば、治療方法はあるのでかかりつけ医に相談するようにしましょう。

その際はどのような治療方法を選択するか、費用や治療期間などを具体的に確認して決めるようにして頂けると幸いです。