お口の中の銀歯(インレー、クラウン)が突然外れてしまった!

そんな経験はありませんか?

お食事中に、歯磨き中に・・・シチュエーションはさまざまですが、銀歯が外れる原因はいくつかあり、そのうち最も多いのが、二次う蝕(虫歯)によるものなのです。

今回は、銀歯が外れる原因と、その原因として最も多い二次う蝕がどうして生じるのか、その原因と予防法についてみていきましょう。

今回の記事はこんな方におすすめです!

 ・ 銀歯が外れた経験をお持ちの方

 ・ 何度も、う蝕を繰り返している方

目次

1.銀歯が外れる原因

2.二次う蝕が出来る原因

3.二次う蝕の予防法

4.まとめ

〇1.銀歯が外れる原因

銀歯が外れる原因は1つではなく、いくつもの原因が重なって生じることがほとんどです。

ここでは、その原因を1つずつみていきましょう。

●セメントの劣化・流出

歯と銀歯を繋ぎ止めている接着剤であるセメントが劣化して内部で砕けたり、唾液と共に少しずつ流出したりすることによって、銀歯が外れます。

空気や唾液に触れている面積が広ければ広いほど、劣化は早くなります。

●金属の変形

多くは歯ぎしりやくいしばりなどの強い圧力が加わることにより生じます。歯をあまり削らないよう処置はしたいところですが、しっかり厚みを取らないと金属が薄いかぶせものになり、変形して少し浮き上がったり、一部が引っかかるようになったりします。そして、それがより大きな変形に繋がっていき、外れやすくなります。 

●二次う蝕

金属が外れる原因として最も多いのがこちらです。次で詳しくみていきましょう。

〇2.二次う蝕のできる原因

二次う蝕とは、一度虫歯の治療をした歯が、再び虫歯になることです。

実は、大人の虫歯の大半が、この二次う蝕なのです。

二次う蝕が出来る原因をみていきましょう。

う蝕ができやすいところといえば、汚れがたまりやすいところ、歯ブラシが届きにくいところですね。

そのような部位にう蝕が出来てしまい、治療を行ったとします。

治療後、歯磨きの仕方が改善されていないと、同じところに汚れが残ることになります。

もちろん、治療で治した人工の歯の部分(金属やレジンなど)は虫歯にはなりません。

しかし、残っている自分の歯は、再び虫歯になります。

人工の材料と歯との境い目は、2つの材質が合わさる場所なので、若干の段差が生じやすくなります。

また、銀歯と歯との境い目は、硬いものを咬んだり歯ぎしりをしたりすることによって、歯のほうが小さく欠けたりすることも多く、それによって歯ブラシの届きにくいすき間が出来ることになります。

このような段差やすき間に汚れがたまり、そこに虫歯の原因菌が増殖し、銀歯との境い目を伝って虫歯が歯の内部に進行しやすくなるのです。

金属の内側にう蝕が出来てしまうと、そこは歯ブラシが届かない場所です。

内側で虫歯は徐々に大きくなり、最終的には銀歯と歯との境い目全体に広がり、銀歯を外してしまうのです。

これは、銀歯だけではなくCRなどの部分的な小さな詰め物との境い目でも生じてきます。

では、歯の表面全てを覆うクラウン(被せ物)の場合はどうでしょうか。

パッとみたところ、歯と銀歯の境い目がなく、二次う蝕にならなさそうに見えますが・・・。

実は、クラウンは、歯の根元の部分に歯との境い目があります。

この部分がしっかり磨けていないと、ここから二次う蝕が発生してしまうのです。

さらに、神経を取った歯の場合は、う蝕が出来ても痛みを感じないので、気が付かないうちに金属の内部でう蝕がどんどん進行していきやすく、特に注意が必要です。

このように、虫歯によって失われた部分を補った場合、人工の素材と歯との境い目が生じるために、今までよりも虫歯菌の侵入が容易になり、中で広がりやすくなってしまっているのです。

〇3.二次う蝕の予防法

では次に、二次う蝕の予防法についてみていきましょう。

一番大切なのは、毎日の適切なブラッシングです。

一度う蝕になってしまった場所は、歯ブラシが当たりにくいなど、今までのブラッシングではう蝕を防ぎきれないと考えて、磨き方を改善していく必要がありますね。

歯科衛生士によるブラッシング指導なども活用していくことをおすすめします。

どんなに頑張って磨いても、細かいところ、歯ブラシが届きにくいところは出てきてしまうものです。

定期的に、歯科医院でのクリーニングを受けるようにしましょう。

目安としては年に3~4回位ですが、お口の中の状態によって、どの位の間隔で行うのが良いか、ご提案させていただきます。

クリーニングと併せて、定期健診を行っていきましょう。

二次う蝕がないか、新たなう蝕は出来ていないかだけではなく、咬み合わせや歯ぎしりの有無、歯周病のチェックなど、お口の中の状態を確認していくことによって、お口の健康を守っていくことが出来ると我々は考えています。

〇4.まとめ

金属が外れる原因として、「セメントの劣化・流出」「金属の変形」「二次う蝕」などが挙げられる。

・2次う蝕とは、1度治療した部位が再びう蝕になること。特に、歯と詰め物・被せ物の境い目からう蝕が生じやすい。

・2次う蝕の予防法としては毎日の正しいブラッシング、定期的な検診・クリーニングが重要である。

一度治療を行うと、その歯は少し弱くなります。

う蝕と治療を繰り返すことによって、ご自身の歯の部分がどんどん少なくなっていってしまいます。

何度も治療を行うことなく、出来るだけ自分の歯を多く残していきたいですね。

我々スタッフ一同、お口の健康を保つお手伝いが出来たらと思っております。

お口の中で、何か気になることがありましたら、いつでもご相談ください。